忍者ブログ
管理人の思いつくまま、気の向くまま、長野県内の町や村の話題を取り上げています。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

080914_1538_大鹿歌舞伎長野公演

長野県県民文化会館中ホールで14日午後、下伊那郡大鹿村に伝わる伝統芸能で、国選択無形民俗文化財の「大鹿歌舞伎」の公演が行われ、代表作として知られる「六千両後日之文章 重忠館之段」が演じられました。 (写真=14日撮影)

大鹿歌舞伎秋の定期公演
[ 開催日時 ] 平成20年10月19日 正午
[ 場所 ] 下伊那郡大鹿村鹿塩 市場神社
[ マピオン地図 ]
・ 下伊那郡大鹿村大字鹿塩
[ 上演予定演題 ]
・ 青砥稿花紅彩画 稲瀬川勢揃の場
・ 一谷嫩軍記 須磨浦の段
・ 菅原伝授手習鑑 寺子屋の段
[ 参考HP ]
・ 大鹿村観光情報
  http://www.ooshika.com/

<参考資料> 六千両後日之文章 重忠館之段
舞台は、庭を掃く二人の男が登場し、その素振りや会話から、時は平家滅亡後の源頼朝が征夷大将軍となって源氏の世、頃は十二月、畠山次郎重忠の館でのできごとであることを何気なく紹介する場面から始まる。
まずは、帰宅した畠山二郎重忠が、妻で、平家方の主馬判官守久の娘・道柴に対し、床の間に飾られた梅の花を指して、「この花は自然に咲いた花ではないが、人の手によって生かされている。これはどういう意味なのか。」と問う。
思案に暮れる道柴。舞台は、ここで、囚われの身になっている平雅茂の娘である六代御前(ろくだいごぜん)が引き立てられ、道柴による折檻(せっかん)が行われる。六代御前は、「恥辱の憂目より早く首を打ってくだされ」と覚悟するが、その健気な姿に、道柴は心を打たれながらも六代御前を責めつづける。やがて、責めたてていた紅梅の枝は花が散り、変わり果てたその姿を見て、道柴は、夫の重忠が「平家への思いを捨てるように」という問いかけの答えを見つける。
続いて、首桶を右手に、いかにも悪者といった風体の梶原平次景高(かじわらへいじかげたか)が登場。重忠の功績をねたみ、これを落とし入れようと頼朝の偽りの命令を持参し、六代御前の首を差し出せ、と迫る場面が第二部である。
重忠は、主君の頼朝から、六代御前は預かりの身であることを申し渡されていたので、不信に思ったが、即断を避け、首が用意できるまで、しばし休息されるよう、景高に伝える。景高が別の部屋に移った後、重忠は、これが偽りの命令であり、頼朝の命令に背き六代御前の首を用意したことで、己の立場を悪くさせようとする景高の魂胆に気づく。悟った重忠は、景高を追い払うわけだが、ここでは景高の魂胆に気付くところまでで第二部は終了する。
そして、いよいよこの演目の最大のヤマ場である第三部へ。夕暮れ迫った重忠の館に、一人の旅の修行者が一夜の宿を頼みに訪れる。この修行者の名は、かつて平家方の武将として源氏と戦った悪七兵衛景清(あくしちびょうえかげきよ)。壇ノ浦の合戦で計らずも生き残り、今は修行者に身を変え、浮世を捨てて旅を続けていたのだが、偶然にも、重忠の館を訪ねてしまったのだった。もっとも、この段階では、未だ景清自身、知る由もない。
何気なく、戸を開けようとした道柴は、その姿にかつて平家方の武将であることを悟り、ここに泊まることはできないと断ろうとするのだった。そして、ここには、囚われの身となった六代御前がいることを、梅の花に謎を掛けて話すこととなる。梅の花は「赤色」、そして外は「白い」雪。平家の赤と源氏の白を表現し、さらに、梅の花は第一部で、夫・重忠の問いかけにもあった「この花は自然に咲いた花ではないが人の手によって生かされている…」を引用したものだった。
これを聞いた景清は、この館が畠山二郎重忠の屋敷であること、そしてここには六代御前が囚われていることを察するが、すでに世を捨て放浪の旅を続ける身にはどうにもならないことを悟り、解けないふりをしたまま、この場を退散しようとするのだった。
しかし、ここで重忠が修験者姿の景清を呼び止める。そして、国は何処か、酒は好きか、などの話の最中に、平清盛の髑髏(どくろ)で作った盃(さかずき)を持ち出し、景清に酒を勧める。思わず盃を受け取る景清。しかし、その意外なモノに、百戦錬磨のツワモノもびっくり。さすがに主の髑髏で酒は飲めぬとばかり、重忠からの酒を断ることに。そうした一連の態度に、重忠は不可解なものを感じ、また、景清も主人の敵を討ち、六代御前を助け出そうと企てるのであった。
さて、ここで舞台は、途中で終了した第二部に戻る。これは、その後、景清が本性を表し、武者姿となって登場することとなるのだが、衣装の着替え、化粧等に時間がかかるため、そのための場つなぎとして、重忠と景高との決着をここで持ち出し、時間稼ぎをする必要があるからだ。
「首が用意できたか」という景高の問いに、重忠は首桶を差し出し、そこにある、と答える。だが、景高が蓋を取ると、そこには、目的としていた六代御前の首は無し…。憤慨する景高に対し、重忠は、頼朝の命が景高が仕組んだ偽りのものであると責め、逆に屋敷から追い出されることになる。登場した時のような威勢の良さはなく、そそくさと帰ろうとする景高だったが、挙句の果てには、階段から転げ落ちてしまい、容易に立ちが上がることができなくなるほどの痛手を負う。
それまで堅苦しい雰囲気だった会場も、間抜けぶりの景高に野次が飛ぶようになり、観客の多くは、景高の一挙手一投足を追い続けることとなる。景高役にとっては、まさに独断場だ。だが、その場面展開に甘んじているほど景高役も楽ではないのが実情。舞台の袖では、この後に登場する第三部の景清の準備を知らせるサインが、絶えず黒子から伝えられているからである。観客を飽きさせないように場繋ぎをするのも、景高役の腕次第。短くもなく、長くもなく、自然に、景清へバトンタッチをしなくてはならないのだから、その間合いは大変なものである。
舞台はいよいよクライマックスへ!修行者の衣装を脱ぎ捨てて、ついに本性を表した悪七兵衛景清。重忠の妻・道柴から、自分が平家方の主馬の判官盛久の妹であることを告げられると、景清は「富士川の合戦」「ひよどり越えの戦い」など、源氏との戦いのこれまでを身振り手振りで語り始める。そして、道柴に対して、六代御前を連れ、密かに逃げるように伝える。駆け出す、道柴…。
舞台には、景清ただひとり。さあ、いよいよ、頼朝・重忠・国俊の登場か、と思いきや、なんと!そこに登場してきたのは、ちょっと頼りない大鹿軍内と家来が三人。おや、これはどうしたことかな、などと思いながら、その演技を見ていると…。どうやらこの人物、指名手配中の景清を捕らえきたらしいのだが、荒武者で知られる景清に恐れをなしてか、なかなか重忠の屋敷に踏み込もうとはしない。家来の後ろに隠れたり、偵察に何度も行かせたり…。
その仕草は、これまでの芝居の流れを脱線させるくらいのひょうきんぶりで、肩に幾分力が入っていた観客らにとっては、格好の野次飛ばしの場となったことはいうまでもない。プロが演じる歌舞伎には見られない、いかにも「地芝居」らしい、「大鹿歌舞伎」ならではの趣向がここで登場する。ひょうきんな大鹿軍内と家来衆が舞台から消えると、いよいよここからが芝居のなかでも最大の見せ場を迎える。舞台の上には、武者姿の畠山二郎重忠と家来衆を従えた源 頼朝、右に悪七兵衛景清、左に三保谷四郎国俊らの千両役者が登場し、壮絶な戦いが繰り広げられる。
芝居の流れは、道柴に六代御前を連れて逃げるように伝えた景清だったが、時すでに遅し。景清の不可解な行動に疑問をもった重忠が、これを囲む状況から始まる。形成が不利となった景清は、せめて三保谷四郎国俊と戦い、積年の恨みを果たそうとする。
この場面で奥深いのは、戦いの場面が、かつて互いに死力尽くして戦った「屋島の戦い」を再現しているところだろう。「平家物語」のなかには、景清が三保谷を追いかけ、兜の錏(しころ・兜の左右後に垂れ下がった部分で首筋を隠すもの)を掴んだところ、これが取れて、景清の手にはその錏(しころ)が残った、と景清と三保谷との戦いぶりが描かれているという。おそらくこの場面は、こうした部分から創作されたものなのだろう。景清は平家の象徴である「赤旗」を、そして左の国俊は源氏の象徴である「白旗」を掲げ、まさに決戦を感じさせる迫力で舞台は演じられる。
しかし、死力を尽くした戦いに決着はつかず、これを見ていた頼朝が「これを裂いて恨みをはらせ」と、緑色の衣を家来衆を通じて景清に渡す。この時、景清は両眼を太刀でくり貫き、盲目となって、流れ落ちる血をぬぐうのだった。
そして、「仇も恨みもこれまで。六代君の御先途を頼む」と頭を下げると、この潔い景高の姿に感心した頼朝は、日向の国(現在の宮崎県)を与え、名を「日向匂堂」と改めるように命じる。日向の国までの護衛は、さきほどまで死力を尽くして戦った相手の三保谷四郎国俊。三保谷の持つ槍の柄に捉まり、日向の地に落ちる悪七兵柄景清改め日向匂堂の姿は感動的でもある。 (ひろさくホームページから)

ランキングに参加しました。 Click >>> にほんブログ村 長野情報
管理人ホームページ Click >>>  日本列島夢紀行 信州からあなたへ

拍手[1回]

PR
この記事にコメントする
Name
Title
Color
E-Mail
URL
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
TrackbackURL:
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
ブログ内検索
ブログランキング投票
- ランキングに参加中 -
ポチっとクリック!

人気ブログランキングへ

にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 長野県情報へ
にほんブログ村
プロフィール
HN:
管理人ひろさく
性別:
男性
趣味:
里山めぐり
自己紹介:
長野県長野市在住。
カテゴリー
最新コメント
[11/23 たっきー]
[11/22 管理人ひろさく]
[11/22 管理人ひろさく]
[11/21 ロクエフ]
[11/21 たっきー]
カウンター
アクセス解析
忍者アナライズ

Template By Emile*Emilie / Material by Auto-Alice
忍者ブログ [PR]