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<<< 奥三河・足助の旅~設楽原の合戦と長篠城址(弐)

120320_1134_長篠城址(愛知県新城市)

20日の休日を利用して、愛知県新城市にある設楽原の古戦場と長篠城址(地図)を訪ねました。
設楽原(長篠)の合戦は、天正3年(1575)、織田・徳川連合軍の鉄砲隊と、甲州騎馬軍団で編成された武田軍が戦った合戦。鉄砲隊による3000ともいわれる火縄銃の三段撃ちで、連吾川を渡り、突入してくる騎馬隊を抑え込んだこの戦術は、これまでの戦いの方法を一変させたことで知られています。
また、長篠城はその設楽原の合戦において前哨戦が行われた場所で、豊川と宇連川が合流する断崖上に設けられたこの城に、武田軍1万5000が攻撃。城主・奥平貞昌以下城兵500が籠り、武田軍の猛攻に耐えますが、やがて食糧が尽き、落城寸前にまで追い込まれてしまいます。
そうした状況のなかで、城主から命を受けた鳥居強右衛門が闇夜に乗じて川を潜り、50キロ離れた岡崎へ援軍の要請に走ります。命を賭けて駆け付けた強右衛門の情報に、信長は長篠城救援を約束。知らせを伝えるために城に戻る強右衛門でしたが、城下近くで武田軍により捕縛。城兵に対して「救援は来ない」と叫ぶよう指示されますが、強右衛門はこれに逆らい「救援は来る」と叫び、磔により命を落とします。しかし、この強右衛門の行動により、城兵は奮起。織田・徳川連合軍が到着するまで、城を守り抜いたのでした。

<行程>
伊那市・駒ヶ根市→(国道153号線)→上伊那郡中川村大草→(国道153号線)→飯田市・下伊那郡下條村→(国道151号線)→下伊那郡阿南町富草→(県道)→下伊那郡天龍村→(国道418号線)→下伊那郡阿南町新野→(国道151号線)→県境→愛知県・北設楽郡豊根村・東栄町→新城市(長篠城址・設楽原古戦場)→(県道21号線・国道257号線)→愛知県北設楽郡設楽町→愛知県豊田市(道の駅どんぐりの里)→(国道257号線)→愛知県恵那市→(国道19号線)→中央自動車道中津川IC→中央自動車道伊那IC→伊那市


120320_0854_道の駅信州千石平(阿南町)
国道151号線通行止め
120320_0956_新野峠(阿南町)
長野県と愛知県との県境にある新野峠
120320_1011_道の駅豊根グリーンポート宮嶋(愛知県豊根村)
道の駅豊根グリーンポート宮嶋
この日、伊那市にある管理人の仮住まいを出発したのは午前6時。途中、上伊那郡中川村や下伊那郡天龍村などに寄り道し、午前9時頃、県境に近い下伊那郡阿南町新野の道の駅信州千石平に到着しました。
中川村を訪ねたのは、この日の中央アルプスがとても綺麗で、天竜川越しに山並みを撮影してみたい、と思ったため。天龍村については、阿南町の国道151号線で土砂災害があり通行止めになっていたことがその理由。伊那市からまっすぐ走れば、もう少し早く新野の道の駅に到着していたかもしれません。
長野・愛知県境にある新野峠を越えると、愛知県側の国道は下るだけ。途中にある道の駅豊根グリーンポート宮嶋では、道の駅ギャラリーに並ぶ土人形たちを見学。案内によれば、土人形は江戸時代中期に京都の伏見(一般的に京都伏見系と呼ばれるもの)で作られ、伏見稲荷に参拝した人たちの土産として全国に広がったのが始まり。江戸時代後期(幕末)頃には、愛知県の尾張・三河地方でも盛んに土人形が作られるようになり、一般的に愛知三河系と呼ばれる土人形の流れは、長野県中野市にも伝わりました。岐阜県東濃地方では、明治中頃に三河の職人・杉浦伊助が訪れ、地元の自工で土人形を作ったものが広がり、やがて農家の副業として数々の土人形が作られるようになったそうです。
可愛らしい土人形を見学した後は、右に左に急カーブ連続の坂道を下り、JR飯田線東栄駅へ。ここで県道と合流し、やや平坦となった国道をJR線沿いに走ること約1時間で、目指す長篠城址(愛知県新城市)にようやく到着したでした。

120320_1124_長篠城址・案内図(愛知県新城市)
長篠城址・案内図
国指定史跡の長篠城址に残されている建設当時の遺構は、本丸を巡る土居と堀のみ。背後に豊川(寒狭川)と宇連川が合流する地点に築城されたこの城の備えは、本丸を中心とした北東から北西にかけて扇状に広がる方向に対するもので、二の丸や巴城(はじょう)郭についても、本丸同様にこれらの方面に対して土居や堀が設けられていたようです。
実際の戦闘では、長篠城を囲む武田軍は鳥居強右衛門が岡崎へ救援に走る頃には巴城郭まで占拠しており、追い詰められた城兵は本丸と二の丸で防戦に努めていたようです。本丸の土居の上に立ち、周囲を見渡してみると、二の丸(見学者駐車場)は、本丸と堀で隔てているとはいえ、話す声が聞こえてしまうほどの至近距離。その先の巴城郭に至っては、まさに目と鼻の先といった状況で、織田・徳川連合軍の到着が少しでも遅れれば、落城…といった、まさに危機的状況であったことが想像できます。
長篠城は、設楽原の到着した織田・徳川連合軍の勝利により、5月21日に包囲していた武田軍から解放され落城の危機を脱します。
城兵の奮闘により城を守り抜いたこの戦いは、戦国六大籠城戦(長篠城・月山富田城・三木城・賎ヶ岳要塞・上田城・大坂城)のひとつに数えられています。
(写真:国指定史跡長篠城址本丸=3月20日撮影、640×480拡大可能)

<参考HP>
・ 愛知県新城市ホームページ (長篠城址史跡保存館へようこそ)
  http://www.city.shinshiro.lg.jp/


国指定史跡長篠城址 (クリックで拡大)
120320_1126_長篠城址(愛知県新城市)
長篠城本丸土居から(左本丸・堀を挟んで右が二の丸跡)
120320_1139_長篠城址(愛知県新城市)
長篠城本丸


<参考資料> 国指定史跡 長篠城址
長篠の戦い
天正三年(一五七五)五月、武田勝頼軍一万五千が、徳川家康の将奥平貞昌以下五百が守るjこの長篠城を包囲して攻防約十日、織田信長三万、家康八千の援軍は、五月十八日西方四キロの設楽原に到着して陣を築く。武田軍は二十日長篠城の囲みを解いて設楽原に進出、二十一日は夜明けとともに織田・徳川軍の陣地に突入し壮絶に戦うが、数千艇の銃撃にさらされ歴戦武勇の将士の多くを失なった。勝頼は数騎に守られ敗走した。

長篠城
・豊川本流(寒狭川)と、宇連川の合流点の断崖上にあり、本丸・帯郭・野牛郭・巴城郭・瓢郭・弾正郭等、総面積約一〇ヘクタール。
・本丸の土塁と堀の一部を残し、戦国末期の城郭の姿をよく見せている。
・永正五年(一五〇八)今川氏の将・菅沼元成築城。
・天正三年(一五七五)十一月徳川家康は、奥平貞昌を城主に任命し城郭整備。五月、武田勝頼の猛攻に耐える。

長篠城址史跡保存館
・現地に残された武具や出土品参戦将士子孫からの提供品、他に古文書などを収蔵し、長篠の戦いの全容を展示資料で見ることができる。
・奥平氏籠城の血染めの陣太鼓
・鳥居強右衛門磔死の図(落合佐平次指物写)
・火縄銃(三ー三〇匁)各種、弾丸、用具其の他
・長篠合戦図屏風(尾張徳川家所蔵原寸復元)
・具足・武具、其の他
(案内板より)

<参考資料> 磔に散る 烈士 鳥居強右衛門
五月十四日、武田軍は総攻撃をしかけた。城中の食糧はあと四、五日分だけ。その夜、鳥居強右衛門は、徳川家康へ救援を依頼する使者として長篠城を抜けた。梅雨の時、増水の寒狭川へおりて豊川をくだること四キロ。
十五日朝かんぼう山で脱出成功の狼煙をあげ、岡崎へ走った。(長篠ー岡崎は50キロ)岡崎には援軍の織田信長も到着していた。家康、そして信長の前で城の危急を訴えまわりの人々も感動した。使命を果たして、休養をすすめられたが、彼はすぐに引き返した。
十六日の朝、再びかんぼう山で「援軍きたる」の狼煙三発。そして長篠城の対岸まできたが厳重に警戒する武田軍に捕らえられた。
武田軍から「援軍はこない城を開け、武田軍は厚くもてなす」と呼ばるよう説得されて長篠城二の丸近くに立った。(この時城は本丸と二の丸だけ残る)しかし「援軍はくる。この眼で見てきた、あと二、三日、堅固に守れ」とさけんだので、対岸の篠場野の地で磔にされた。
強右衛門その時三十六才
十八日、織田、徳川三万八千の軍は設楽原に到着して陣をしいた。
(案内板より)


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